こんにちは 行政書士の栗賀です。

現在、人に会い、研修を受けてアウトプットしていく仕組みを構築中です。

本日は、日本行政書士会主催の「成年後見制度改正と行政書士の新たな使命」という研修をオンラインで受講しました。今回は、そこで学んだ「成年後見制度がこれからどう変わるのか」を、制度改正のポイントを中心に整理してご紹介します。

研修の概要

講師は司法書士の高橋弘先生。現行の成年後見制度の解説だけでなく、制度が抱える課題や今後の改正の方向性、行政書士がどのように関わっていけるかまで、幅広い視点からお話しいただきました。内容が多岐にわたっていたため、今回の記事では特に「制度がこれまでとこれからでどう変わるのか」という点に絞ってまとめてみました。

成年後見制度の「これまで」と「これから」

講義の内容をもとに、成年後見制度の変わるポイントを表にまとめました。

変わるポイント これまで(現行) これから(改正後)
制度の選び方 判断能力の低下度合いに合わせて「後見・保佐・補助」から一括で選んでいた 「補助」に統一され、その人ごとに「必要なサポートだけ」を組み合わせる
本人の気持ち サポートする人に権限が多く集まり、本人の意思が届きにくいことがあった 本人の「こうしたい」という気持ちを一番大切にして支援内容を決める
終わらせ方 一度始めると亡くなるまで一生続くことが多かった 家の売却など目的が終われば、途中で制度を終了・見直しできる
自分で選ぶ準備(任意後見) 裁判所が監督人を選ぶ必要があり、費用や手続きのハードルが高かった 状況に応じて監督人がいなくても利用できるようになり、事前に選んだ人を頼りやすくなる
サポートの重なり 事前に準備した「任意後見」と裁判所の「補助」を同時に使いづらかった 2つを重ねて使えるようになり、状況の変化に合わせて柔軟に助けてもらえる

表からわかること

こうして整理してみると、今回の改正は「制度を利用する本人の気持ちや暮らしに、これまで以上に寄り添えるようにする」方向を目指していることが見えてきます。「補助」への一本化、必要な範囲だけを支援する仕組み、途中でも終了・見直しができる柔軟性など、どの変更にも共通しているのは「本人の生活を中心に据える」という考え方です。

生活者目線で受講して感じたこと

まだ行政書士としての経験が浅い私にとって、法律の講座は言葉ひとつひとつの定義を丁寧に積み上げていく学び方が新鮮でした。先生は一つひとつの論点を順序立てて丁寧に紐解いていくスタイルで進めてくださったので、私自身は途中で「今はどの話をしているのか」を見失ってしまう場面もありました。これは私の理解がまだ追いつかなかった部分だと思っています。

改めて振り返ると、先生が一番伝えたかったのは「後見制度は状況に応じて使う道具のひとつであり、本人の生活を長く支える土台としては任意後見を軸に、必要なときだけ補助を組み合わせていく」という考え方だったのだと思います。制度の実務に長く携わってこられた立場から見ると、「これまでの運用の常識を見直そう」という大きな提案だったのではないでしょうか。

あなたはこれからどんな暮らしをしたいですか

先生の話は、「あなたはこれからどんな暮らしをしたいですか?」という問いから始まり、

今は何もいらない
財産管理委任契約を結ぶ
任意後見も準備しておく
必要になったら補助を使う

というように、本人の生活全体を見据えて制度を組み合わせていく考え方へとつながっていきました。行政書士は「契約書を作る人」であるだけでなく、「暮らしの設計者」として関われる余地が広がっている、ということも学びのひとつでした。あわせて、福祉制度に頼りすぎず、本人・家族・専門職がバランスよく支え合う視点の大切さも指摘されていました。

もう一つの視点

この講座を受講して、これから法律を学ぶときは、次の二つを並べて考える必要性を感じました。

① 生活者の目「本人はどう暮らしたい?」
② 法律家の目「その暮らしを実現する権限は誰が持っている?」

例えば、

病院に入院したい(生活)→入院契約を結ぶ権限は誰?(法律)
アパートに住み続けたい(生活)→更新契約をする権限は誰?(法律)
お金を払いたい(生活)→銀行で手続きできる権限は誰?(法律)

こうやって見ると、法律は生活の邪魔をしているわけではなく、生活を安全に支えるルールだということが少しずつ見えてきます。

まとめ

今回の研修を通じて、成年後見制度の改正は「本人の生活を中心に、必要な支援だけを柔軟に組み合わせる」方向に進んでいくことがよくわかりました。行政書士としても、制度の知識だけでなく、その方がどんな暮らしを望んでいるかを聞き取る力を磨いていきたいと思います。高橋先生、貴重な学びの機会をありがとうございました。

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